2009年秋(5)

水上から2駅,列車は土合に到着した。此処までがグンマだが,近年様々なメディアに取り上げられ,
全国的な知名度をじわじわと上げて来ている。水面下では独立を目論んでいるとかいないとか。
ホームには観光客らしい姿も見受けられる。こんな資源がありながら,みすみすと逃している。
流石グンマ。
この駅にはかつて待避設備があった。しかし,先程も触れたグンマの策略に伴い列車が激減,
待避設備は不要となり,通過線のところに新たにホームが設けられた。
写真は下り線ホームから湯檜曽方面を見たものである。取り残された感が空しい。

地上に向かうとする。待ち受けるのは、土合駅最大の名物かつ難所,改札口までの連絡通路である。
写真の階段(462段)とその上にある143mの通路+階段(24段)という実に豪勢なものである。
重装備の登山者の間をすり抜ける様にして登る。昔取ったキネヅカではないがノンストップで一番上まで
辿り着くことが出来た。時間にして4分程。しかし改札を抜けて歩を緩めると激しい心臓の鼓動が襲ってきた。
恐らくこの駅は,タニガワ岳に登れるかどうかを試す為に造られたのだろう。

駅前に出る。驚いたことに駐車場(と化した駅前広場)は自動車で埋め尽くされていた。
しかも県外ナンバーを付けた自動車である。これは何よりの観光地化の証拠ではないか。

上りホームに出る。島式1面2線の跡は,かつて上越線が単線だった頃の名残である。
駅周辺は紅葉が始まっており,燃えるような葉の色が山の所々を染めている。
あのままSLに乗っていたら来ることも見ることもなかったろうに,シブカワでの判断は正しかった。


やって来た列車で水上に戻る。かの有名な水上-湯檜曽間の湯檜曽ループも見ることができた。
遥か真下に線路や駅施設が展開する様は実に圧巻であった。

2009年秋(6)

撮影記