2009年秋(9) 引き続き『落陽の上信電鉄』をお送りします。


吉井にて下車。此処は前々回の訪問時に立ち寄っているが「(フリー乗車券は)乗れるだけ乗る」と
云う鉄則に基付き再訪問した次第。と言っても滞在時間は僅かに5分程。駅舎を撮っておしまい。
構内の警報音が鳴り始めてから改札が始まり,苦い顔をしていた客もいた。

やって来たのは500系。元々は西武鉄道の新101系と呼ばれるグループの車輛であった。
他の私鉄でも同系の譲渡車が存在するが,上信電鉄のものが最も原形を留めているらしい。

山名にて下車。
駅舎は高崎線の岡部に似ていて,旅客スペースが駅舎の3分の1と非常に小ぢんまりとしている。
路地のどん詰まりにある為,目立つよう駅名表は入り口ではなく建て看板として掲げられている。
それにしたって各駅を巡って来て不思議なことには自販機(それもコカ・コーラ)があることだ。

6000系がやって来た。上信電鉄で唯一ほめられたことは様々な車輛がやって来ることだ。
しかし,こう色々とあっては現場サイドでの保守などに手間取るだろう。それに6000系のような
自社発注車では部品の確保も面倒だ。6000系は好きだが,いっそ西武車で統一した方が良いと思う。

本日最後の訪問駅は上州新屋。片側1面1線の無人駅だが,駅舎が筆者好みの立派なものである。
藁を混ぜた土壁のような駅舎が多い中でこの駅舎は前面板張りである。

夜なら良い雰囲気だろうと踏んでいたのだが,思っていた以上に暗くなってしまっていた。
そうなると苦しいのがディジタルカメラ。手持ち撮影なのでぶれては撮り直しを繰り返す。
駅前の通りを走るクルマの量がやけに多い。こんなクルマ社会グンマで,旧態依然の上信電鉄は
生き残ることができるのだろうか。心配になった。

2009年秋(10)

撮影記